第2恋

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本当は虹って7色なんだけど、私たちの虹は8色だから。 8人で、1つの虹ができるから。 昨日は、ついこの前にアップした動画へのコメントを全員で見て、これからの課題や次の目標などについて話した。 たまに物凄い面白いコメントとかもあって、それを呼んで爆笑したり。 私の腕が白すぎるから女だっていうことがばれているらしく、たまに変態発言もあって。 それを見た柚夢と大和がぎゃーすかぎゃーすか、うるさいったらありゃしない。 他の人たちの動画を見たりして、築茂が完璧に分析したり。 いいところをはどんどん取り入れて行こう、と煌も言っていた。 彼らとの時間を思い出すだけで、勝手に頬が緩んでいつに間にか。 彼らのことばかり、考えている私がいる。 「……あの」 と、突然目の前に影が出来て上から知らない声が降ってきた。 ハッ、として上を見上げると。 「突然すいません。ここの大学の方ですか?見慣れない顔なので」 う、わ……長髪、だ。 深緑色の綺麗な長髪に、一重だけど柔らかい印象の目に厚めの唇、通った鼻筋の綺麗な顔をしている男の人。 女装したら完璧に美人だろうなぁ……。 ってか、結びもしないで流されている髪が独特な雰囲気を醸し出している。 私の好奇心は、そっとその綺麗な髪に伸ばされて1束掬った。 「あ、の……?」 染められているのは分かるけど、それでも自然な深緑の色。 こんな色の髪も、男の人でこんなに長い髪の人も初めてみたけれど。 全く違和感なんてないし、とても似合っている。 「すいません、聞こえてますか?」 「……えっ?あ、はい。すいません」 顔を覗き込まれて、慌てて深緑色の髪から手を離した。 「あまりにも綺麗な髪の毛だったので……つい。ごめんなさい、失礼しました」 眉を下げてぺこっとお辞儀をしてから顔を上げると、その人はちょっと驚いたような顔をしていた。 「え、と……私、ここの大学生に知り合いがいて、ちょっと届け物をしに来たんです。だけど場所が分からなくて」 とりあえず、怪しい者ではないことを説明しておかなければ。 .
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