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玲央が連れて来てくれたのは、駅から歩いて5分ほどにある外人住宅のカフェ。
カラフルなイスとテーブルに、琉球ガラスを使った電灯がとてもオシャレ。
ピザやカレー、ガーリックライスにハンバーグなどに、ちょっと工夫がされたメニューが並んでいた。
「うわー……迷うなぁ」
「最近、この店見つけた。次は絶対に、悠と来ようと思って」
「そうだったんだ。連れて来てくれてありがとう。でもどれがいいかな?食べきれなかったら玲央が食べてくれるよね?」
「ん。俺は、ピザ2枚と、ドリア食べる」
「相変わらずよく食べるねぇ。じゃ、私はガーリックライスにしようかな」
店員さんを呼んで、すぐに飲み物が先に来る。
カラン、と冷たく響く氷の音が穏やかな時間の流れを表しているようだった。
「今日の編集部ではどうだった?」
「今の連載がもう少しで、終わりそうなんだ。その後に描く連載について、話し合った」
「そっかぁ。玲央の漫画単行本、累計200万部ってすごすぎるよ!でも大変じゃない?」
「大変、な時もあるけど。今は悠たちと暮らせて、おいしいご飯が毎日、食べれるから。すっごく幸せ」
「うふふ、それは嬉しいですなぁ。玲央は本当によく食べるからね。柚夢も最初はめっちゃ驚いてたし!」
「……ん、そうだっけ」
そんな話をしながら笑っていると、早速ピザが出てきた。
1枚が思っていたよりも大きいけれど、玲央ならぺろっと食べれちゃうんだろうな。
嬉しそうに食べ始めた玲央を、私は携帯を取り出して写メを撮り始めた。
「……なに、撮ってるの」
「だって可愛いんだもーん!ご飯食べているときの玲央ってすごく幸せそうだし」
撮った写メを確認して、保存をする。
「悠がそばにいるから、幸せなの。悠とご飯食べているから、嬉しいの」
「ふふ、ありがとう。私もだよ」
そんな甘い言葉も、玲央だから言えちゃう。
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