第2恋

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私が頼んでいた料理もすべてそろって、2人で他愛もない会話をしながら食べ進めていると。 机の上に置いておいた私の携帯が、メールを知らせた。 『お弁当、ありがとう。とってもおいしかった!』 煌からのメールで、築茂と日向と3人で食べている写メ付き。 相変わらずカメラが嫌いな築茂は嫌そうな顔だけど、照れているのが丸わかり。 私もさっき撮った玲央の写メを付けて、返信をした。 そんな私を、食べることを止めてじっと見ていた玲央に首を傾げて見せる。 「……メール?」 「あ、うん、煌からお弁当ありがとうって。ほら、こんな写メも付いてきた」 玲央に携帯の画面を、笑いながら見せる。 「だからさっき撮った玲央の写メも送っちゃった!」 「……プライバシーの、侵害」 「そ、そんな言葉は覚えなくてよろしい」 「ふふ」 煌の名前を出したことで、ちょっと不機嫌になっていた玲央を笑顔にさせる。 そんなテクニックも、私には無意識に付いていたようだ。 「あ、そうだ」 「どうしたの?」 「GWに、瑠璃がロシアから来る」 「マジで!?」 突然のビッグニュースに私は玲央にぐっと顔を近づけた。 「ん。瑠璃、楽しみにしてるって」 「そっかそっかぁ!じゃ、もちろんうちんちに泊まるんだよね?今から楽しみだなぁ」 「……ちょっと、心配なんだけど」 「え、何が心配なの?」 「………そのうち、分かる」 そう言って、残り少ない料理を食べ始めた玲央の表情は、うまく読めない。 ただあまりいい感情じゃないことはすぐに分かった。 「そっか。そのうち教えてよ?」 「……ん」 小さく返事をした玲央に、4分の1しか食べれなかったガーリックライスを食べてもらって。 手を握りながら、カフェを出た。 .
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