第2恋

24/47

343人が本棚に入れています
本棚に追加
/842ページ
説明するのもめんどくさいというか、極力この人と関わりたくないかも。 「あ、そういえば僕の自己紹介がまだだったね。僕は春日井遼(カスガイリョウ)で歳は29だよ」 「……神崎悠、17です」 「I know!調査済みだからね」 調査って……怖いんですけど。 「モデルって言うのは、髪のモデルだよ。君はすごくキレイな髪をしている。僕は美容師なんだ」 「どんなモデルでも嫌です」 「えー!?僕の誘いを断る女性は初めてだ……」 「では話は終わりましたよね?これで失礼します」 強行突破をするしかない! 「What did you say!?ちょっとくらいお茶でもしようよ!」 あぁ……誰か、助けてよー。 春日井遼、29歳は美容師としておそらくつい最近までイギリスあたりにいたんだろう。 この容姿と性格から、女関係はかなり激しかったと分かる。 だから、自分にかなりの自信とプライドがあって断れば断るほど、手に入れようとムキになる。 第一印象は、こんな感じかな。 「……うん、関わりたくないタイプだ」 「What?」 だけど断っても余計にうるさくさせるだけだし、かと言って頷けば調子に乗るだろうな。 「めんどくさ……」 「What's wrong?」 日本語だと躊躇するような言葉も、英語なら何とも思わずに言えそうだ。 よし、もう投げやりでやってやる! 「I would like to go home early and to sleep. There is no spare time which is caring about you. Please invite other women, if you would like to carry out tea」 『私は早く家に帰って、寝たいんです。あなたに構ってる暇はありません。お茶をしたいなら、他の女性を誘ってください』 無表情で淡々と述べれば、ぽかんと間抜けな顔をした遼さん。 よし、これで諦めてくれるだろう。 心の中でガッツポーズをして、すたすたと歩き始めた。 けど。 「Wow………How interesting!」 腕をしっかり掴まれて、想像していた表情とは裏腹の笑顔が返ってきた。 .
/842ページ

最初のコメントを投稿しよう!

343人が本棚に入れています
本棚に追加