第2恋

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「ってことはさ、リョウの家族は沖縄にいるってことでしょ?家族関係とか公表されてないの?」 「ううん、芸能人ってわけじゃないから公表はされてないよ。リョウって昔の話とかは絶対にしなかったみたい。だからイギリスに来る前のことは誰も知らないの」 「イギリスにはいつ来たの?」 「それは分からないけど、その美容室で働くようになったのは23歳の時。だから6年くらいそこにいたみたい」 「ふーん……結構長かったんだ」 専門学校は大体2年くらいで終わるはずだから、美容室に努めるまでの空白の2年が気になる。 「でも沖縄でリョウが店を出すっていうなら、もう少し騒ぎになっててもいいんじゃない?」 「でしょ!?やっぱり、そう思うよね!?でもね、なんだかリョウらしき人が出すようなお店はないらしいの」 「……どういうこと?」 「新しく美容室が出来るなんて話、1つもないってこと。だからやっぱり嘘だったのかなって思ってたところに昨日現れたから、きっとこれから出すつもりなのかも!」 これから、ね。 「性格とか雰囲気では、リョウってどんな感じ?」 「それはもう、プリンスよ!リョウの手で髪に触れられた女で落ちない女がいないってくらいに!誰をも虜にしちゃうのっ」 「へ、へぇ……じゃぁ、彼女はいっぱいいたんだね」 「……そうなんだよねぇ。すっごいガールフレンドがたくさんいて大変だったみたい」 「そんなにいたなら、ご飯とかお酒とかもすごく上手に誘えるんだろうなぁ」 「そうそう!あ、でもね、ここ最近リョウはお酒も煙草もやめたらしいの」 「ここ最近っていうと?」 「今年に入ってからかなぁ……ワインとか大好きだったのに、突然やめたんだ」 この流れは、何となく嫌な予感しかしない。 「まぁでも、その理由が浮気を知った女にワインをぶっかけられたからだって。納得しちゃった」 「煙草はなんで?」 「もともとあまり吸わない方だったから、お酒と一緒にやめたらしいよ」 「そうなんだぁ……本当に何でも知ってるね!ビックリしちゃった」 「へへっ、嬉しいです!」 こんなに情報が手に入るとは思ってもいなかったから、かなり助かった。 「本当にありがとう」 「いいえ!またいつでも聞いてください!」 ご主人様に褒められた犬のように笑う彼女と別れて、私は明日の遼さんとの約束の内容を考え始めていた。 .
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