第1恋

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新しいクラスで初めてのHRが終われば、これから全校集会になる。 移動に15分間の休憩が取られているけど私は生徒会長としてすぐに行かなければいけない。 「あ、あの!!」 必要最低限の荷物を持って体育館へと向かおうとした時、誰かの声に足止めをくらった。 振り返れば、黒髪でアジアンショートの可愛いともカッコいいとも取れる男の子が立っていた。 あ、この人、隣の席の人じゃん。 「えっと確か君は……隣の席の…」 「お、俺!!笹宮陽斗(ササミヤハルト)って言うんだ!これからよろしくっ」 ニカッと人懐っこい笑みで手を差し出されて、私も笑顔を返した。 「私は神崎悠。よろしくね」 ぎゅっと差し出された手を握れば、みるみる顔を真っ赤にしていく。 「あ、ありがとう!!じゃ、じゃぁ生徒会、頑張ってね!」 突然現れて突然去った彼は、確かバスケ部でレギュラーメンバーだったはず。 あんなに分かりやすくて素直な人なんて珍しいな、なんて思いながら体育館へと向かった。 新年度の全校集会も無事に終わり、体育館から教室へと戻る廊下。 「ちょっと悠、あんためっちゃ後輩から見られてるけど!」 「そんなの気にしない気にしない。ふぁ~眠い…」 「相変わらずだねー。そういえばどうなのよ?野獣たちとの生活は」 「あ?大和たちとのこと?それはもう賑やかにやってますよ。朝っぱからうるさいし」 「それは大変だこと」 キャッキャッと私を見ながら遠くで話す可愛い可愛い後輩ちゃん。 それを無視して欠伸を1つ、召喚。 柚夢が日本に帰って来て2日後、大和と玲央は全ての荷物をまとめて私の家へと移住した。 それからはもう、私にベタベタの柚夢に大和が切れて口げんかするやら。 私が玲央に膝枕をしている姿を見た柚夢の殺気がすごいことやら。 うるさくて危険な生活を過ごしていた。 .
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