第2恋

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やっと、心からの笑顔を見せてくれた遼さんに、私も嬉しくて顔をほころばせた。 「………そうか」 「え?」 「いや、なんでもないよ。ありがとう、悠ちゃん」 一瞬、じっと私を見つめたままぼそっと呟いた遼さんに首を傾げると、すぐに首を横に振った。 「それじゃ、行こうか」 「行くってどこに?」 「もちろん、煌のところにさ」 「……はい!」 得意気にウインクをしながら席を立ちあがった遼さんに、私も残っていたグァバジュースを飲み干して。 来た時とは別人のような背中をした遼さんの後を、追った。 カフェを出れば、さっきまでの雨が嘘のように抜けるような青さに澄み切る空。 「晴れましたね!」 「Yes……あっ!」 空に向かって思いっきり背伸びをした後、遼さんを振り返れば。 地面を見て何かを見つけたらしい。 「どうしたんですか?」 「……君の言った通りだ。僕の周りには僕が思っている以上に素敵なもので溢れている」 そう、優しい表情で見つめる遼さんの指に挟まれているそれを見て。 「よく見つけられましたね!」 「自分でもビックリだよ。探そうと思って探すときは絶対に見つからないのに、こんなときに見つけられるなんて。初めてかもしれない」 「今の遼さん、素敵です」 ふふ、と微笑みながら本音を言えば。 「………これは、やられたね」 パッと顔を背けて、小さく呟いた遼さんの表情を私は知らない。 「どうしたんですか?」 「No!今の僕の顔は見せないよ!」 「え~?何でですか?気になります!」 「絶対に見せないから!」 そう言って逃げるようにして車の中に乗り込んだ遼さん。 私も心地いいため息を吐いて、カフェを後にした。 あの時の遼さんの表情を、唯一知っているのは。 四葉のクローバー、だけ。 .
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