第3恋

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煌との仲もすっかり戻った、3日後のこと。 「今日は三者面談最終日だ。入っているやつは忘れずに、時間通りにしっかり来いよ」 そう、三者面談の日だ。 私はやっぱりというか、毎年そうなんだけど、必ず最終日の一番最後なわけで。 学校が終わるのは1時過ぎなのに、私の面談時間は4時からなのだ。 3時間も暇を弄ぶのかって言われたら、生徒会の仕事や課題をやっていようと思ったんだけど。 昨日と一昨日に、すべて終わらしてしまった。 ピアノを弾きに音楽室に行きたいけど、吹奏楽部が練習しているから使えない。 「あー……何しよう」 とりあえず教室は面談に使うからいれないし、適当に廊下を歩いていた。 「あ」 「お、神崎」 職員室から出てきたのは、大高。 「どうしたの?」 「分からない課題があったから、担当の先生に聞いてたところ。神崎は?」 「三者面談までに3時間もあってさー、暇人になってフラフラしてるところ」 「ぶはっ!マジで?お前も大変だなぁ」 「本当ですよ。やっぱり忙しいほうがいいなー」 「んじゃさ、3時間もあるなら学校の外に出ても大丈夫なんだろ?ちょっと付き合えよ」 あ、その手があったか! 「うん!そうするそうする!どこ行くの?」 「マック。昼食ってねぇーんだよ」 「うっそ!奢ってあげないからねー」 「そんなつもりじゃねぇって!」 そんな会話をしながら昇降口を出て、歩いて3分で着くマックへ向かった。 さっぱりした黒髪にたれ目、182もある身長の大高とはいろいろあったけど。 今は本当に友達としてすごくいい関係になれたし、本当によかった。 たくさん傷つけてしまったし、ひどいこともたくさんしたのに、今こうして笑い合えている。 1度ヤってしまったけど、あれはお互い水に流して忘れようということになった。 決して忘れることは出来ないけれど、忘れたフリをしながらいようと心では思っているはずだ。 男に抱かれるから抱かれないか、ということを考え始めると、あることが頭を過ったため。 空を、見上げた。 .
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