第3恋

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この生活がいつまでも続くとは思っていないけど、やっぱり変わるのは少し怖い。 愛花とも大高とも、毎日学校で会えてたけどこれからはそうじゃなくなる。 7人とは変わらなさそうだけどね。 「ってか神崎。お前最近、笹宮陽斗と仲いいじゃん」 「そりゃ、隣の席だしねぇ。普通にいい子だよ」 「バスケがすごいらしいな。お前、あいつにも惚れられてるんじゃね?」 「いやぁ、どうだろ」 「早く特定の奴、作ったら?あの音楽仲間の奴らとか。いなければ俺がなってやるけど」 「あはっ、それは遠慮しとくわ。毎日マックにつき合わされたくないしね」 「はいはい、そうですかー。でもマジで神崎、いろいろ気を付けろよ」 「気を付けるって?」 「あと1年で高校も終わりだろ?だから神崎と近づきたくて堪らない男、大勢いるんだってよ」 「へぇ、それはおもしろいね。一斉にかかって来いって感じ!」 「おいおい、冗談じゃねぇんだから。ま、お前のことだから上手く交わせるだろうけど」 「その通り。襲われそうになったらとっておきの必殺技があるから大丈夫」 「おぉ、怖っ!」 別に襲われそうになってもいいんだけど、あ、いや襲われたくはないよ? ただ、襲われそうになったりしたらあの7人が黙っていないと思うから。 隠し通すことも一緒に暮らしている以上、難しいと思うし。 だから尚更、襲われたりなんかしたら大変なことになりそうだ。 考えるだけでも恐ろしい。 「そういえば、あのすごくキレイな男の人との噂、全然消えてないな」 「あぁ……あれねぇ……ま、今となってはどうでもいいかな。全部ウソだし」 「俺や青田は最初から信じてねーけどさ。笹宮陽斗とかはショック受けてんじゃね?」 「いやぁ、陽斗はああ見えて結構頭が切れるから大丈夫だと思う」 「で、あの男は本当になんだったわけ?」 「あれ言ってなかったっけ?煌のお兄さん」 「マジで!?」 「マジマジ。ちょっと煌を挑発するために私に近付いたらしい。ま、もう落ち着いたからよかった」 「本当に神崎ってすごいな……」 「いやいや、私の周りの人間がおかしいんだって」 「一番おかしいのは神崎だから」 そんなやり取りをしていれば、あっという間に面談時間の15分前になっていた。 .
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