第3恋

17/37
前へ
/842ページ
次へ
もちろん、人として好きって意味だけど。 「で、早く教えて下さい」 「本当に言わなきゃダメか?」 「ダメです」 「……分かった分かった」 観念したようで、風舞先生は一度大きな大きな深呼吸をした後、口を開いた。 「元カノが……レズだってカミングアウトしたんだよ」 「…………ぶはっ!!」 レ、レズかぁ……それはいくらイケメンでも勝ち目はないですねぇ~。 「普通笑うか?驚くか引くかだろ」 「いやいや、元カノさん最高ですね!レズっていいじゃないですか!可愛いじゃないですか!」 「おいおい、こっちはずっと騙されていたんだぞ?俺が世間的には隣に並ぶとよかったから、3年も一緒にいただけで実際は恋愛感情がなかったんだと」 「あっはははは!先生、かわいそ~」 「お前なぁー!もっと慰めろよ!」 「いやいや、笑い飛ばしたほうが楽しいって!」 「……ぶははっ!それもそうだな!」 もう、本当におもしろすぎるんだけどっ! 何だか最近、いつも腹の底から笑っているような気がするなぁ。 「笑う門には福来る!ですしね!」 何よりも、笑うことが好きだから。 誰かの笑った顔が一番好きだから。 「……神崎、ありがとな」 「何がですか~?」 「お前の笑顔を見ていると、元気になれる」 「それはよかったです!私も先生の笑顔、大好きですよ!」 「………笑顔が、か?」 「もちろん、先生のことも大好きです!」 「……っ…」 わわ、先生の顔がみるみる真っ赤に染まった! 「先生、大丈夫です?」 「……マジで、殺傷能力半端ねぇ…」 「失礼な!私は殺傷能力なんてそんな物騒な能力は持ち合わせていません」 「そうだな、お前には見えないからな」 「はいー?」 変顔をして聞き返すと、また教室に私と先生の笑い声が大きく響いた。 .
/842ページ

最初のコメントを投稿しよう!

343人が本棚に入れています
本棚に追加