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「どぉぉぉなってんだこれはぁぁぁぁぁ!!」
あまりの落下速度にドップラー効果を起こしながら青年…御津白夜(ミトビャクヤ)は見掛けに依らない大音量のシャウトを上げる
無理もない…
「どう見てもラストはミンチコース確定じゃねぇかぁぁぁぁぁ!!」
彼の頭上には雲1つ無い青空が広がり、下には豆粒のように感じてしまう程小さく見える距離の先に、果てしなく広がる大地があり、その中心部には街が見えるのだ
このまま落下すれば地面に激突した途端、無惨な挽き肉と化す事は火を見るより明らかなのだ
「だぁぁぁぁぁ!!
ざっけんなぁぁぁぁぁ!!」
一通り怒号を飛ばすと、瞳を閉じて精神を集中させる
「来い、風よ!!」
白夜の言葉に呼応したように彼の身体を風が全身を覆う
万物に宿る秩序の力、法力…彼の切り札の1つを発動させ、徐々に減速させて行く
「ふぅ、これで…ぇぇぇぇぇ!?」
漸く街が見える距離まで来た時点で、余裕で着地できる速度まで減速した事で集中を切らした瞬間、法力が掻き消え、自由落下が再開される
「ちくしょぉぉぉぉ!!やっぱりこうなるのかぁぁぁぁぁ!!」
そんな叫びも虚しく白夜は風を切り、街の中心にあった教会らしき建物へ轟音を立てて突っ込んだ
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