独り

1/1

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ

独り

 人はこれを孤独と感じる。 しかし何も孤独が悪いことばかりではない。 孤独ならば何かを失ったときの悲しみを知らなくてすむ。 大切な人と別れる辛さを知らなくてすむ。 裏切りをされたときの憎しみと悲しみを知らなくてすむ。 初めから独りなら辛いことや悲しいこと、憎しみを感じることはほとんどないだろう。 しかし、人は独りではいられない。 いつか仲間が欲しくなる。でも、仲間が出来たところで裏切られたら意味がない。 大切な人が出来たところで別れたら意味がない。 何か、大事なものが出来たところで失えば意味がない。 独りが辛いというのはあくまで他人の、他者から見たただの見た目の薄っぺらいものだ。 そいつからすれば独りが一番いいのかもしれないのに、他者はそれを否定する。 独りの何が悪いのだろうか?悲しみを知らなくてすむのに、辛さを知らなくてすむのに、憎しみを感じなくてすむのに。 独り、それは何も知らなくてすむ、最高の過ごし方であり、最低の過ごし方でもある。 これはあくまで僕の持論であり、正解ではない。           by 紅龍
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加