エピローグ 花は桜。栄光の未来へ

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玲奈は心の中で麻矢にそう言うと、麻矢の方へとスタスタと歩み寄り言葉を送る。 「本当に綺麗よ桜ちゃん。結婚おめでとう」 「玲奈さん……。ありがとう」 「ふふっ。私の中で一番望んでいた結果よ。あなたの中に麻矢がいる。あなたは二人分の幸せを彼からもらわないとね。これは姉としてのお願いよ」 直接には叶わなかった妹の思いを託すように玲奈は桜にそう言った。 その言葉はとても重みを感じられ、二人の心に強い責任感を与えた。 特に未来の心にはその言葉の意味が突き刺さったに違いない。 「玲奈姉ちゃん。式が始まる前にどうしても話したい人達がいるんだ。……ダメかな?」 「……医師としては許可は出来ない相談ね。だけど……私個人の意思では賛成かな」 「それじゃ!」 「うん。お父さんとお母さんを呼んでくるわ。きっと喜んでくれるわよ」 玲奈はそう言うと控室を立ち去り、両親である俊哉と裕子を呼びに行った。 そして桜と未来もそれぞれの両親に連絡を取る。 これから話す事は二人に関係する人達にとって無視の出来ない大切なことだ。 それが例え法を侵す事だとしても伝えておきたいことだから。 少しすると控室にぞろぞろとそれぞれの両親が入ってくる。 「水無月さん。お久しぶりですね。それに姫野さんも」 桜の両親と未来の両親が顔を合わすのはこれで三度目だ。 一度目は未来と桜が卒業してから。卒業式の時に初めて面識を合わせた。 二度目は二人が結婚すると告げた時。この時は家族を交えて食事会を開いた。 そして三度目が今日である。
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