エピローグ 花は桜。栄光の未来へ

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「本当にありがとうございました! 娘が今という幸せを迎えられるのも水無月さんの娘さんがいてくれたからです!」 「頭をあげて下さい。私は嬉しいんですよ。桜ちゃんの中で娘が生きているとわかってね。麻矢の望みも叶いました。子の望みは私達親の望みです。きっと麻矢も喜んでいますよ」 麻矢の望み。それは美羽の死がきっかけだった。その頃から決めていたのだろう。 自分がドナーになることを。 苦しむ人を少しでも助けたいという大きな夢。それはちゃんと果たされた。 そしてそれは誰もが満足出来る笑顔の終わり。 亮は頭をそっと上げて俊哉を見る。するとそこには優しい面持ちの俊哉がいた。 「そんな顔しないで。見て下さい? あの幸せそうな二人の顔を。娘の花嫁姿なんです。お父さんがそんな顔しちゃいけませんよ」 この場に白けた涙はいらない。娘を盛大に笑顔で送り出そう。 亮はそう思って二人を見つめた。 その後、報告が終わり未来と桜の式が始まる。 会場は既に満席。花嫁と花婿の姿を今か今かと待ち望んでいる。 「新郎新婦入場」 司会者の合図にBGMの赤いスイートピーが流れると共に新郎新婦が腕を組んで入場してくる。 いよいよこれから二人の為の式が始まるのだ。 舞台に立った二人は向かい合う。 「病める時も、健やかなる時も、お互いに愛し、慰め、助け、命ある限り誠実であることを神に誓いますか?」 牧師から神への誓いの言葉が二人に送られた。
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