エピローグ 花は桜。栄光の未来へ

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外に出ると大きな桜の木が一本立っている。 枝には色鮮やかなピンクの花を咲かせていた。 もう季節は春。新しい未来はここから始まる。 「未来! あの桜の木の下で写真撮ろうぜ!」 一樹と香が新郎新婦の二人を連れて桜の木の下に移動した。 この四人の姿は輝いていて微笑ましく思える。 桜は儚い花だと誰かが言った。散り際は美しいが短命だと。だが桜はまた毎年のように花を咲かせる。 そこには笑顔があり、暖かい温もりがある。桜の花は笑顔の花だと未来は言った。 ならばその笑顔に溢れる栄光の未来はここから始まる。 「ハイ! チーズ!」 これは数奇な出会いを辿った一組の恋人の奇跡と呼べるような物語。 春のそよ風が桜の花びらを運び、二人のことを優しく包んだ。 それはまるで、誰かが今日のこの日を祝福しているような気がした。 「俺は今、幸せだよ。ありがとう……麻矢」 ~~(完)~~
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