僕は親友に会った、雪の世界で。

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ーコウの家ー 「着いたよ、ここがおれの家だ。」 立派な…と言えるかは定かでは無いがそこそこの家だ、印象としてはRPG風のアパートといった感じだろうか。 「ここの二階奥がおれの家だよ、借り家だけど。」 ーコウの部屋ー 「さて、じゃあこの世界について、そうだな…現実との関係、この世界の仕様、スキル、目的、それからこれからどうするのかの五点を教えてあげようか。」 アラさんのベッドに寝転がり話を聞くのはなんだと思い、起き上がろうとすると怪我人は寝ていろと叱られた、少し恥ずかしいというのもあったのだが、黙って従うことにした。 「まずはこの世界についてだけど、おれ達の居たあの世界はAG(アナザーグラウンド)って呼ばれてる、そしてこっちはUG(アンダーグラウンド)。 来る時に見た空を思い出せばなんとなく銀さんなら分かるんじゃないか?」 空、この街の空には見慣れた場所が映っている。 僕の高校、そして僕が居たあの山、あそこには僕の家が見えた。 つまり、この世界からは向こうの世界が見えている。 「…ようするにあの世界が上に見えてるからこっちは下、UGってこと?」 「そう、そしてこちらからは向こうに干渉できないから向こうの世界はこっちの人から見たらもう一つの世界、AGってわけ。」 「どちらも確かに存在しててどちらも現実だけど、今はこちらにいるから向こうはこっちから見て、もう一つの世界ってことだね?」 「大体あってる。」 うーむ…と頭を悩ませる。 「そして、UGとAGは時間の流れが違うんだ。」 「薄々勘付いてはいたんだけどね…。」 「銀さんの前にも似たような人に何人も会っててね。 来た時に向こうは何日だったか?と聞いたら大体流れは把握出来たよ。 AGでのおおよそ10倍、そのくらいUGは流れが早い。 一日たったらこっちは十日、三日たったら一ヶ月たってるんだ。」 「じゃあアラさんはこの世界にもう半年近くいるってこと?」 「そうなるね。」
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