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「アラさんとの間に大分成長の差が出来たのかな?」
つまらない質問をしてしまったかもしれない。
「いや、この世界で過ごしていても成長は向こうの時間に合わせてしか進まないんだ。
だから時間自体は10倍速だけど成長は10倍遅い。
だけどこっちで生まれてこっちで暮らしてる人達、通称NPCは意思もあるし感情もある、けど俺たちよりも早く老ける。
向こうから見たおれ達が不老不死に見えるだけなんだがな。」
これでアラさんの不可解な言動が理解出来た。
「二つ目、この世界では不思議なことばかりが起きている。
魔物、魔法、ダメージの数値化、HPバー、ここら辺は銀さんも見たと思う。
スライム倒してる時に見えたでしょ?」
確かに見えた。
青色のバーが減少していき、最後まで消えるとスライムは光となって消滅した。
音も無く、ふわふわと。
「僕達も死んだらああなるの?」
「もちろんだよ、おれは半年もいたから見て来たんだ、死ぬ人だって大勢ね。」
その瞬間、本当に一瞬だったが顔の表情が暗くなった。
本人は隠せているつもりだろうがこういう顔をした時はなにかしら言えないことを隠した時だ。
「…ところでアラさん、不可解な現象といえば、ここに来た理由は?」
「えっ、あ、あぁ…それは分からないんだけど、でもとりあえず分かってるのは空に映ってる場所と言語は同じで通じること。
そして現れる場所は基本的に装備が整った状態で雪山でスライムに襲われてる状態…なんだけど。」
おかしなことを言う、僕は装備どころか寝転がった時の学生服のまんまだ。
「なにかのイレギュラーが起きてるみたいだね。
もしかしておれのディスクでやった?」
「うん、その方がアラさんを探すのに手っ取り早いと思ってね。」
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