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「なるほど、スキルポイントはどうやって貯めるの?」
「働けば貯まる、魔物を倒したり、野菜を収穫したり、水やりや動物の世話でも貯まる。
料理をしてても貯まるけど、やっぱり魔物を倒すのが一番貯まるよ。
料理なんて一品で1しかたまらないけど魔物はスライム1匹でも10は貯まる。」
「スキル…か。」
もしかしたらさっきのスライムは僕がこの世界に対して順応してなくて、初期スキルすら持ってなかったから攻撃が通じなかったのかもしれない。
「それで、この世界の目的。」
「そう、この世界がRPGなら帰る条件はあるんだろ?
クリア条件は?」
「わからない。」
「…なんだって?」
「わからないんだ、何をすればいいのか誰一人として知らない。
だからおれは何があってもいいようにスキルを上げ続けるだけの毎日だった。」
「帰れないのか?」
アラさんがこくりと頷く、そんな、だってAGでは今まさに…。
「僕の添い寝シーツが破られちゃううぅぅぅぅぅぅ!」
「そこかよ!」
仕方が無い…シーツは諦めよう、と涙を堪えながらアラさんの話に戻る。
「で、最後にこれからの予定。」
「どうするの?」
「この世界の目的がわからないなら、探すしか無いじゃないか。
お金はたっぷりとあるんだ。
半年近い時間があったから大分依頼などで荒稼ぎした。」
「アラさんが、荒稼ぎ。」
「やめろよぉぉぉ!全く…緊張がほぐれてきたな?…まぁいいや。
まぁおおよその金額は大体AGになおすと高級車が何台か買えるレベルの金額だね。」
「…本当に?」
「それで旅に出ようかと思ってる。
もちろん銀さんも来てくれると思ったから待ってたんだ。
一緒に来てくれるよな?」
もちろん、と言いかけて考える。
今の僕では何も出来ない。
自分の身すら守れないのに一緒に行っても良いのか、アラさんを苦しめるだけではないか。
「まぁ、とりあえずはおれは依頼に行かないと、受けた依頼はこなさないとね。」
「そこについてってもいいかい?」
「もちろん、おれがいたらそこまで危険では無いと思うし。」
そこで、自分に出来ることを見つけれなかったら、僕はアラさんの足手まといにはなりたくない。
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