道化師は笑う、心を隠して。

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ー雪山ー 突然の事に驚く暇もないのか。 今おれの前には謎の物体がいる。 ぶよぶよで水色がかった半透明のその物体はおれに向かって襲いかかってきた。 「な、なんだこれ。」 いきなり謎の物体に奇襲を受けた人の反応にしてはデフォルト的な解答だろう。 体当たりされて吹っ飛ばされてしまった、3mくらい飛ばされてしまい、そのままゴロゴロと坂を下った後、雪の中に体が埋まった。 ここで死ぬのかな、と思った瞬間、自分の衣服の違いに気づいた。 明らかに寝た時と格好が違う、ナイフや怪しい薬品の入った瓶を腰に下げ、マントを羽織い、昔話やRPGの旅人同様の格好だ。 でも、なぜそんな格好かを詮索する暇などはない。 謎の物体がまた襲いかかってきているからだ、とりあえず薬瓶の中身がなんなのかは分からないが投げてみることにする。 ヒュッ…。 ゆっくりゆっくり物体が固まっている8m先くらいのところに瓶は落ちて行く。 なんだ、いきなり世界が雪より白くなった。 キーン…。 耳鳴りがする。 とてつもない爆発音がした気がする。 目を開けると物体がいた辺りを中心に5m程の大きなくぼみが出来ている。 爆薬だったようだが小さな薬瓶の中にこれほどまでの爆薬が詰まっていたなんて、ふとした拍子に踏んづけてしまったらどうなったいたのだろうか。 まだ二体程残っている。 残り二つ程の薬瓶を投げたが反応が無い、爆薬では無いようだ、もしくは不発か。 あとは…腰についているナイフと太腿のダガー、あとは弓矢か。 弓矢は二本しかない、外したら…どうなるだろうか、でもやるしかないのであろう。 弓に矢をつがえ、片方に狙いを定める、矢を放った瞬間、自分には弓道の経験など無いことを思い浮かべた。 もちろん矢は飛ばずに1m先にぽとりと落ちてしまった、仕方が無いのでもう一本の矢を持って物体に特攻した。 「なるようになれ!」
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