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「アラさん?」
「…ん。なに?」
「大丈夫?考え事?」
ちょっとね、と銀さんには言った。
ー雪山・ゴブリンの洞窟内部ー
役所の以来でゴブリンの洞窟に来ている、街にゴブリンが出てくることが多く、最近は特にだそうだ。
なのでその原因調査と退治も兼ねてゴブリンの洞窟に来ているのだが。
「変だな?」
「やっぱりそうなのかい?こういうのって普通は奥につれて人が多くなるものだろ?一番奥が一番安全だろうし。」
「そうなんだよ、なのに奥に進むにつれて逆に減っている。
それどころか最新部も間近なのにさっきから一匹も会わない。」
なにか、おかしい。
嫌な予感は的中するものだ。
ーゴブリンの洞窟最深部ー
あのイスに座ったあれは…
「銀さん、ここから離れよう。」
「あれ、ゴブリンでは無いよね?」
「うん、あれはオーガだよ、おれ一人では勝てる相手じゃない。
せめて二人か、もしくは遠距離攻撃でも出来ないと厳しい。
毒矢ならあるしスキルも鍛えてるから当てれるだろうけど…。
数がね。」
5、6本で銀さんを守りながら戦うのは無理だろう。
役所まで戻ればそれなりの報酬でまた討伐依頼を出すはずだ、そーっとそーっと。
パキッ。
しまった!落ちた松明の枝を踏んでしまった!オーガが…。
幸いにも起きていないようだ。
「あっ!」
ガシャッ、ガラガラガラ。
銀さんがこけた音だ。
「うごおおぉぉぉぉぉぉぉ!」
「逃げろ銀さん!」
おれたちは洞窟を駆け上がる。
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