道化師は笑う、心を隠して。

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そうだった、オーガは魔法が解けたようだ、また恐ろしいスピードで走ってくる。 「銀さん、手伝ってくれるか?」 「もちろん、と言っても三つしか魔法は無いよ。」 「十分でしょ、魔導士は大分強い職業だからね。 そのかわり、精神を病みやすいらしいから気をつけてくれ。」 「あいあい、グリースがまたつかえるようになるまであと26秒。 時間をあけないと使えないみたいだ。」 矢をつがえ、オーガを狙う、この距離で外すほど下手くそでは無い、オーガの右足に刺さる。 「うごおおおおお!」 しかし防御力が高いせいか、全然聞いていない。 矢が刺さったところから半径10センチほどが黒ずんだだけだ。 オーガは止まらない、こちらへ向けてまた走り出す、どこかでゴブリンが拾って来たのか、バトルアックスを持っている。 「あんなんでやられたらひとたまりも無いな。 銀さん、三つ目の魔法は?」 すでに唱え終わっているようだ。 「フレイム!」 ぼっ… 火が空中に浮かぶ。 ぼっぼぼぼぼ…。 空中で連鎖していく炎は段々と大きくなっていく。 「燃え上がれ!」 ゴォアァァァァ! キャンプファイア程度の凄まじい炎が相手を襲う。 「うごおぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 かなり聞いているらしい悶え苦しみながら転がっている、しかし生物が燃える臭いだろうか、激しい異臭がする、胃の中のものが逆流して… 「おえぇえぇぇぇぇぇ!」 吐いてしまった。 「うごぉぉぉぉ…うごぉ…。」 グリースで転がった時に大分体をぶつけたらしく、4分の1が減っていたオーガのHPが3分の1まで減った。 しかし、このような強力な技を魔導士が最初から持っているのは理由がある。
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