道化師は笑う、心を隠して。

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ー麓の街ー 街に戻っておれの家に銀さんを運ぶのは大変だった、盗賊ってのは非力に作られてるらしく筋力値をいくら上げても中々育たない。 役所に行く事にして、銀さんには書き置きを残しておいた。 (銀さんへ 起きたらスキルのレベルアップをしとくといい、オーガを倒したのと初期スキルで大体6000と、後はパーティ登録しといたから帰り際に倒したモンスター分も溜まってるだろうし、結構選べるだろうから慎重にね。 荒。) 「…長っ。文章力無いのかな…。」 そんな苦悩に苛まれながら役所で貯金を全ておろす。 銀さんも来たし、ここに居る理由は無くなった。 そろそろ他の街へ進もうと思っていたところだ、AGへ戻るためにも情報を集めたい。 基本的に帰る方法は公開されない。 本当にわからないのかもしれないが、一番は出る時の条件だろう。 例えば一人しか出れない、そんな条件だったら誰も人に教えようとは思わないだろう。 だから出たい奴は基本的に旅に出る事が多いのだ。 もちろんおれもその内の一人に…いや二人になる。 銀さんと二人で旅をする、なんとなく銀さんがUGに来てしまう、そう感じていてここに居たのだから。 もし、一人しか出れないなら銀さんを外に出してもらうつもりだ。 おれのために来てしまった銀さんはAGへ帰るべきだろう。 これは、三ヶ月…一人で悩み続け出した結論だ、更に三ヶ月経った今ももちろんその気持ちは変わらない。 おれはきっと、この世界に残る。
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