道化師は笑う、心を隠して。

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「今ならゴブリンは居ないんじゃなかったの!?」 「おれが知るか!」 ー雪山・ゴブリンの洞窟前ー ゴブリン達はすでに集結しつつあり、洞窟に入り銀さんがライトの魔法を使うとゴブリン達はわらわらと出てきた。 「このまま逃げてもどうしようもないよ!」 「確かにそうだな!ここらで死ぬ覚悟をしてみるか!」 爆薬を取り出し振り向かずに投げる。 爆音が轟くとバラバラとゴブリンの肉片や目玉が頭上を通り過ぎ、背中に飛び散る、すぐに光となって消えていくのだが。 大方は片付いたようだ、追ってくる足音が小さくなった。 しかし… 「何が片付いたって?」 「こいつらの倒し方のイメージ」 それは警戒して立ち止まっただけだった。 さっきと比べて100匹が90匹になったくらいだ。 元はゴブリンの洞窟は中級者向けのダンジョンだ、『snow world』内にレベルの概念は無いがレベル30ほどだろうか。 参考までにおれが50、銀さんが30くらいだと伝えておこう。 「銀さん、なんか一気に片付く魔法無いの?」 「時間稼いでくれたらすごいのを見せてあげるよ」 ゴブリン自体は強くない、数が多いだけのレベル指数だから。 ゴブリンに向けて薬瓶を投げる、ゴブリンは爆薬と思い後ずさる。 しかし薬瓶はかなり高くあげておいた、それを目掛けて矢を放つ、スキルを大分あげてあるので狙いやすい。 パリン! 薬瓶が割れると中から粉が舞い散る。 おれと銀さんは風上にいるのでゴブリン達の方へ粉は舞っていく。 「ぐぇ!ぐえぇぇえ!」 ビリビリと痺れるだろう、さっきの粉はしびれ粉だから。 しばらくして銀さんが少し離れてくれといった。 「グラビティ」 ズンッ! ゴブリン達が雪に埋れ、地面に押さえつけられている。
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