僕は親友に会った、雪の世界で。

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ー謎の雪山ー 何処だ、ここは。 周りを見る、ここはどうやら山の中のようで、周りにはまばらに木が生えている。 麓の方は雪の白さのせいでなにがあるかはよく見えない。 なぜ自分がこのようなところにいるのか、全くわからないが、とにかくここから出なければ。 歩き出そうとしたら、足に激痛が走った。 「ぐうっ!なにが…。」 足下に水たまりがある、いや水たまりではない。 プルプルとした身体、液体のようで、なのに形を維持している『それ』は目などがないくせに、僕の足に噛み付いて?いる。 「なんだこれ!」 大きく足を上げて蹴り飛ばしたら、『それ』は僕の足の衝撃も、木にぶつかった衝撃もその身体を波打たせることで吸収してしまった。 「な、なんだよ…何が起こってるんだ…。」 攻撃は効かないみたいだ、しかしそれは仲間を集めているのだろうか、数え方はわからないが五つほどの塊がいる。 一つの『それ』が飛びついてきた、僕の腰に体当たりしてきた、衝撃で飛ばされる。 「うぁっ!」 木に後頭部を強打した、頭が揺れているかと思いきや世界が揺れている。 『それら』がじわりじわりと近づいてくる、さっき噛まれてた部分の服が溶けているところから奴らは僕のことを消化しようとしているのだろう。 死の恐怖。 「助けて…。」
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