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僕はここで死ぬのかと覚悟を決めた。
あぁ、友人を探して危険な目にあう、そして死んでしまう。
少しはかっこいい最期ではないか、人のために行動して死ぬんだから。
でも、何故だろうか。
僕の心臓はまだ止まらない。
思考はまだ終わらない。
目を開けると目の前には人が立っていて、後ろ姿からマントを羽織ってることだけが分かる。
「だれ…ですか?」
旅人と呼ぶに相応しい格好のその人は答えもせずに、『それら』の群れに飛びかかった、半端では無い跳躍力、おおよそ3~4mを飛んだだろうか。
上空から薬瓶が飛んでくる。
「頭を隠せ!」
僕は泣きそうになった。
それは、頭を隠す腕に爆発した薬瓶の破片が刺さったからでも、僕のために戦う旅人に感謝したからでもない。
僕は顔をあげた。
間違いない。
「…アラざんっ!」
涙声が出てしまい少し恥ずかしいが、アラさんはにっこり笑っている。
「追っでくるとは思っでたよ、銀ざん!」
僕はあははっ!と笑ってしまう、アラさんまで泣きそうだ、久しぶりの再会に感動するのは僕だけではなくアラさんもらしい。
アラさんが投げた薬瓶はどうやら爆弾だったらしい、その威力は凄まじく、僕の腕に刺さる瓶の欠片も中々に深く刺さっている。
アラさんはそれを見て、なんとなくそうなる気がしたから本当は使いたくなかったのだけれど…と言っていた。
しかし、アラさんはすぐさまに視線を戻す、何故ならスライム(呼び名はアラさんに聞いた)が一匹だけ群れを離れていたからだ。
「衝撃を吸収するような相手にどうやって戦うつもりなのアラさん?」
「衝撃が効かないなら、切断すればいいでしょ?」(にやにや)
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