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「生まれ変わっても君の事は忘れないつもりだからさ、その辺は心配しないでね。
俺だと思ったら遠慮なく話しかけてね?」
甘い言葉囁いちゃってもおっけーだよ?とか言っちゃって。
「つもりかよ。しかも幼女とか少年なんか口説いてたら、俺ただの変態じゃん」
「すでに手遅れだよ。今だって、なんにもない所に向かって、もう死んだ奴相手に会話してるんだから。充分いかれてるよ?」
その死んだ奴が言えた事か。
「とにかく俺は、四十九日が終わったら一旦生まれ変わってきます。おーけー?」
「何がOKだ、何が」
人の気も知らないで。
「でもさ、少し残念だったよ?」
何が?と、尋ねる。
「ちょっとぐらい泣いてくれたっていいじゃん?
なのに君ってばさ、馬鹿アホって、怒ってしかいなかったんだもん」
そう言って彼は苦笑いした。
「人にトラウマ残しやがって、おまけに3日後にそうやって笑ってるお前が言うな!」
トラウマなっちゃったかーと、今度は満面の笑みを浮かべた。
「でもそしたら俺のこと忘れたくても忘れられないね。よかった」
まぁ残りの時間はヨロシクやろうか。と、彼は言った。
本当に、俺も彼のことが解らないが、向こうはもっと、俺の事なんか解ってない。
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