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それから大体46日間。
長いのか短いのかよくわからない時間だ。
いや、やっぱり短い。短すぎると思う。
また、黒い服だ。
少々首が苦しい。
写真の中の奴は見慣れた顔で笑ってて、
帰ったら1人になるのに、少しだけ、期待してしまう。
いっそ忘れられたらいいのに、と思う。
ガチャリ、とドアノブが回る。
もう、家の鍵を持っているのは自分だけなのに。
「なんで、お前、ここに居んの?」
部屋の中には、お帰り、と写真と同じ顔で笑っている奴がいた。
「君が死ぬまで多分こうなんだと思う。とり憑くって言うの?」
嬉しそうに、彼は笑ってた。
生きてても死んでても、何か全然変わらないな、と思った。
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