君に片思い

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sid.晃雅 「う…ちょう…会長!!」 「あ!?」 耳元でした声に、俺は飛び起きた。 何事だ、とあたりを見渡せば、そこには仁王立ちで立つ会計の姿。 「会長!なにこの忙しいときに居眠りなんてしてんのさ!!」 「え?」 あぁ、そうか。そうだった。 今のは、夢…… 雨谷はもう、いないのか。 …俺が久しぶりに生徒会室に来た時、俺の席には雨谷の辞任届と腕章が置かれていた。 最初は何の冗談だ、と思って 教室とかを探し回ったっけ。 それが冗談じゃないと気付いたのは、生徒会の顧問が生徒会室に来て、「副会長は学園辞めたからー。」なんて、ふざけたことを軽く言って去っていったとき。 そんな簡単に、そんな軽くで、済ませられる話じゃない。 なのに、もう雨谷はいなくて。 どこにも、 居なくて―――
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