60人が本棚に入れています
本棚に追加
sid.晃雅
雨谷が居なくなってから、二週間の月日がたった今でも、
俺は忘れて呼んでしまうときがある。
「雨谷、コーヒー」
そう、誰もいない空間で言ってしまった時の空虚感は、言いようもないものだった。
会計がいたときに言ったら、笑われた。
アホだー!って、指をさされて笑われた。
そのたびに思った。
あぁ、もう雨谷はいないのか。
何度も何度も、再確認するように、俺の脳に刻み込まれていく。
刻まれるたびに思うのは、
もっと傍にいたかった。
ただそれだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!