君に片思い

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sid.晃雅 雨谷が居なくなってから、二週間の月日がたった今でも、 俺は忘れて呼んでしまうときがある。 「雨谷、コーヒー」 そう、誰もいない空間で言ってしまった時の空虚感は、言いようもないものだった。 会計がいたときに言ったら、笑われた。 アホだー!って、指をさされて笑われた。 そのたびに思った。 あぁ、もう雨谷はいないのか。 何度も何度も、再確認するように、俺の脳に刻み込まれていく。 刻まれるたびに思うのは、 もっと傍にいたかった。 ただそれだけだった。
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