君に片思い

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笑おうとして、失敗した。 グニャリ、と視界が歪んで、無性に苦しくなる。 なんなんだ。 「晃雅…なんか、あったのか?」 「…」 何か、返さなきゃならないのに、俺の唇は動かなくて。 震えるだけで、声が出ない。 何かが溢れ出してしまいそうで、グッと歯を食いしばる。 『会長、コーヒーどうぞ』 目から一筋の雫が零れ落ちる前 優しい、雨谷の声が聞こえた気がした。
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