君に片思い

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sid.晃雅 俺だって、できるならそうしてやりたい。 でも、俺でいいのだろうか? きっと、俺なんかより、白川に来てもらったほうが雨谷も喜ぶんではないだろうか? 俺なんかより――― ずっと。 「おいバ会長。いつまでウジウジやってんだ。時間がねぇんだよ。もうすぐ、あいつは行っちまうぞ。 いいのかよ、それで。 てめぇはそれで、いいのか?」 「んなわけ…そんなわけ、ねぇだろ!!」 考えるよりも先に、答えは出ていた。 俺は、雨谷を手放そうなんていう気は、まったくなくて。 ずっと、探していたあいつへの思いの形は、 本当はずっと前から俺の心の奥に眠っていたんだ。 たとえあいつが嫌がったって 離す気なんて、さらさらねぇんだ。 だから―――
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