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ある日。
仕事を終えた僕を、いつもより安らかな眠りが誘って
僕はそのまま眠ってしまった。
どれくらいたったんだろう。
ふと、冷たい何かが頬を撫でて、意識が浮上した。
(なんだろう…?)
起きようとしたけど、冷たい何かがすごく心地よくて、
僕はまた夢へと落ちて行った。
「零次…」
優しくて低い声が、
僕の名前を読んだ気がする。
うっすらと瞼を持ち上げるけど、視界がぼやけてよく見えなくて。
「晃、雅…?」
必死につなぎとめようとした意識は、優しい何かの感触で、あっけなく落ちていく。
(――気持ちいい…、)
あまりに優しく何かが撫でるから
僕は小さく微笑んだ。
君ではないと分かってるのに、期待してしまう僕は馬鹿だと思うよ。
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