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時は平成、場所は日本国第48個目の都道府県である海星県。
夏の全国高校野球、海星県予選2回戦。
鹿深台高校 対 南鵬朝鮮の試合が行われた。
両チーム合わせて15点の乱打戦を征し、3回戦に駒を進めたのは鹿深台高校であった。
鹿深台高校主将でエースの醒井優輝は序盤に6失点を喫するも、中盤以降は相手に得点を許さず、途中リリーフした女性投手、清水チカも無失点で南鵬朝鮮を抑えた。
一方の打撃陣も、9得点の猛攻を見せ、鹿深台は南鵬朝鮮を下したのであった。
「っくぁあぁぁ!
めっちゃ疲れたぁ!」
勝利をあげ、学校のバスにて帰校する鹿深台ナインたちは、シートに沈むように疲れきっていた。
その中で、特に疲れていたのが、主将でエースの醒井だ。
三年生の投手で、抜群の制球力に145km/h前後の速球、切れ味抜群の高速スライダーとフォークボールが特徴の海星県の投手の中でも三本の指に入る実力者である。
ただ、南鵬朝鮮戦では、相手の策略にハマり、序盤に打ち込まれてしまう結果になった。
「ホント、よく勝てたよなぁ?」
そう言いながら伸びする優輝を見るこの男は御手洗浩二。
鹿深台の三年生三塁手だ。
普段はグータラしておりだらしないが、いざと言うときには力を発揮する頼もしい選手だ。
特徴という特徴はないのだが、わりと打てて、わりと守れて、足もわりと速い、なんでもそつなくこなすザ・バランスな選手である。
「醒井、序盤は死にそうな顔しとったさかいなぁ。
まぁ、あんだけ打たれたら、心も折れるわな?」
この関西弁の男は合田源太郎。
スイッチヒッターの三年生一塁手だ。
コツコツ当てる巧打から、一撃必殺の強打、さらには巧みなバントまで、幅広い打撃技術を持つ、MR.打撃だ。
ただし、守備はいささか不安定。
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