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とりあえず、2人は夕方になるまで遊んだ。
その帰り…。
「ねえ、葵ちゃん。」
「なに?」
「葵ちゃんは、彼氏いるの?」
「はっ?そんなのいないよ。大体アタシ、恋愛すらした事ないもん。」
「そうなの?」
「劉哉くんは?彼女。」
「俺?いないと言えばいないし、いると言えばいるかな。」
「なにそれ。」
「明日になったら分かるよ。」
「ふーん。」
なんとなく、葵ちゃんには俺の事が言えなかった。
葵ちゃんには、知られたくなかった。
「じゃあ、アタシこっちだから。」
「うん、今日は楽しかったよ。可愛い葵ちゃんが沢山見れたし?」
「なっ…。」
「じゃあ、また明日。」
「うん…。」
背を向けて、ヒラヒラと手を振る劉哉くんの後ろ姿が、スゴくかっこよかった。
一目見たときから、なんだかドキドキしてた。
恋愛なんて、今までして来なかったし、本当の友だちだって、小夜しかいない。
そんなアタシにとって、劉哉くんは眩しく見える。
恋愛の事は解らない。
でも、これが一目惚れってやつで、アタシは劉哉くんに恋をしたんだと思った。
あんな、最悪で苦しい日々がくるなんて知らずに、アタシは劉哉くんに恋をした…。
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