えぴそーど 001

6/6
前へ
/235ページ
次へ
とりあえず、2人は夕方になるまで遊んだ。 その帰り…。 「ねえ、葵ちゃん。」 「なに?」 「葵ちゃんは、彼氏いるの?」 「はっ?そんなのいないよ。大体アタシ、恋愛すらした事ないもん。」 「そうなの?」 「劉哉くんは?彼女。」 「俺?いないと言えばいないし、いると言えばいるかな。」 「なにそれ。」 「明日になったら分かるよ。」 「ふーん。」 なんとなく、葵ちゃんには俺の事が言えなかった。 葵ちゃんには、知られたくなかった。 「じゃあ、アタシこっちだから。」 「うん、今日は楽しかったよ。可愛い葵ちゃんが沢山見れたし?」 「なっ…。」 「じゃあ、また明日。」 「うん…。」 背を向けて、ヒラヒラと手を振る劉哉くんの後ろ姿が、スゴくかっこよかった。 一目見たときから、なんだかドキドキしてた。 恋愛なんて、今までして来なかったし、本当の友だちだって、小夜しかいない。 そんなアタシにとって、劉哉くんは眩しく見える。 恋愛の事は解らない。 でも、これが一目惚れってやつで、アタシは劉哉くんに恋をしたんだと思った。 あんな、最悪で苦しい日々がくるなんて知らずに、アタシは劉哉くんに恋をした…。
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加