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小学生から高校一年の約2ヶ月まで過ごした、この街を離れる事になった。
9年間も住んだ家と街…大好きな友だち。
全てとさよならだ。
「葵!!」
「小夜。」
アタシを呼んだのは、9年間親友として付き合いのあった杉山小夜。
いざという時に、とっても頼りになるお嬢様…みたいにおしとやかな女の子。
「本当に、いなくなっちゃうのね。」
「ああ。まあ、父親の転勤だからな。仕方ないよ。小夜、9年間ありがとう。」
「私こそ、ありがとう。向こうに行っても、連絡してよね?」
「わかってるよ。小夜はアタシの彼女か!」
「違うけど、葵みたいにカッコいい男の子じゃないと、私は付き合わない。」
「だから、モテるのに彼氏出来ないんだよ。」
2人で、こんな風に会って話すことが少なくなるんだなと改めて感じた。
2人が会話していると、葵の父親が葵を呼ぶ。
「葵!そろそろ行くぞ!」
「今行く!じゃあね、小夜。」
「うん。」
新しい街と、友だちと、学校が待っている。
不安が無い訳じゃないけど、楽しい事が沢山待ってると思うと、ワクワクして仕方なかった。
あいつと出会うまでは…。
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