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次の日、いつもより少し早く目が醒めた。
部屋のカーテンを開けると、外は雨降り…最悪だ。
雨は嫌いじゃない。
でも、今日から新しい生活が始まるって言うのに、初っ端から雨なんて、最悪と言わずに、何と言えばいいのか…。
「おはよー。」
「あら、あっちゃん早いのね?」
この人は、アタシの母親の光代…みっちゃんだ。
我が家は変わっていて、父親は幸彦(ゆきひこ)だから、ゆっきーで母親はみっちゃんと呼ばないと、怒られる。
いつまでも、若く見られたいらしい…確かに、見た目はかなり若いから、2人共、30オーバーで3人の子持ちには、娘から見ても見えない。
2人は、ゆっきーが20歳で、みっちゃんが18歳の時に結婚した。
まあ…デキ婚だ。
ちなみに、長男は只今18歳で、次男が17歳。
アタシは16歳で年子。
だから、余計だろうか…。
「あっちゃん?どうかした?」
「いや…朝から、みっちゃんは綺麗だなって。」
「そう?あっちゃんは、私の子どもだから、髪伸ばせば可愛くなるのにー。」
「はいはい。朝ご飯、手伝う。顔洗ってくるね。」
「わあ!ありがとう!」
こんな、可愛い母親から生まれたのに、どうしてアタシは男前だなんて言われるのか…きっと、伊吹のせいだ。
そんな事を思っていると、登校時間には雨は上がっていて、いつの間にか、兄貴2人はサッサと先に行ってしまっていた。
ここからが、アタシの運命を左右する出来事が起きるだなんて、思ってもなかった…。
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