えぴそーど 001

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「みっちゃん、ゆっきー行ってきます!」 「「行ってらっしゃーい。」」 ゆっきーの出勤時間は9時から。 まだ余裕な顔して、スーツ姿で新聞を読んでいるゆっきーを横目に、バタバタと学校へダッシュした。 ヤバい…このままだと、転入早々大遅刻になりかねない。 葵が、学校へと急いでいると、目の前には杖をついたおばあさん。 その前からは車…と水溜まり。 葵は、おばあさんを庇うように盾になると、水溜まりの水は、見事に葵にかかった。 「あら、お嬢さん。私を庇って…泥だらけだねえ。」 「ああ…おばあちゃんは大丈夫だった?」 「大丈夫よ、ありがとう。」 「うん!じゃあ、アタシ急ぐから!」 そう言って、再び走り出そうとした葵の腕は、誰かに掴まれた。 「キミ…その格好で学校行くの?制服…うちのでしょ?」 「えっ?」 「俺、1年の松永劉哉。」 「あっ…アタシ、今日転入してきた、榛原葵。」 「そのネックレス、俺と同じ1年?」 「そう…だけど…。」 「とりあえず、その泥だらけなのどうにかしないと…。」 「でも…。」 「いいから、こっちに来て。」 劉哉と言う男に手を引かれるまま、アタシはその男の家に来てしまった。 「えっと…。」 「とりあえず、脱いで。シャワー浴びてきて。」 「えっ?」 「制服…家に卒業した先輩のあるから、とりあえずそれ着ていったら?」 「は、はい…。」 アタシ…無事に学校に行けるのか、不安になってきました…。
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