第1話『覚醒!!魂のカード!!』

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ヒーローカードは、補助、必殺技カードとは違い、パックから見て裏向きに入っている。 どんなヒーローが手に入ったかは、裏返すまで分からないというわけだ。 それを確かめるまでのワクワク、ドキドキとした感じが、命介は好きで好きで仕方が無かった。 胸が高鳴っているのが分かる。 命介は思い切って、カードを表にした。 「っ…………アレ?」 表になったヒーローカードは、神霊剣士 ソウルブレイダー。 命介が使っているのと、全く同じカードである。 「ああ……ああ~~……」 ガックリと肩を落とす命介。 いくら好きなヒーローといえど、カードがダブるというのは、やっぱり、あまり嬉しくないものである。 その時だ。 「………ッ!?」 突然、カードを持っていた手が、静電気を浴びたかのようにバチッ!と痺れた気がした。ソウルブレイダー以外のカードが、床に落ちる。 「?!………!??」 なんとも不思議な感覚だった。床に落ちたカードを拾い集め、もう一度握ってみるが、今度は何も起こらない。 「なんだったんだろ…今の…?」 奇妙に思いつつも、命介はソウルブレイダーを含めた5枚のカードを、愛用のカードホルダーにしまい、カバンの中に戻した。 もうすぐ好きなテレビ番組が始まる。 命介は大きく伸びをしてから、部屋を出てリビングに向かって行った。 …部屋を出る直前、カードホルダーの中、 先程手に入れたソウルブレイダーのカードがおぼろげな光を放ったが、 命介がそれに気付く事は無かった……。 【都内某所】 薄暗い研究室の中、サングラスを掛けたスーツの男と、金髪の少年がコンピュータのディスプレイをまじまじと見つめていた。 ディスプレイには東京の地図が映されており、 その一点で赤いマークが点滅している。 「…新しい『カード』の反応があった。ここから…そう遠くないな。 明日、この場所に行ってみるとしよう。」 スーツの男が金髪の少年に言った。 「…ったく、一般のカードの中にあんな大事なもんを混ぜるなんざ、どういう神経してんだよ?」 金髪の少年が毒付いたが、スーツの男がそれをたしなめる。 「木を隠すなら森の中さ。それに、『奴ら』の手に渡るよりは遥かにマシだよ。」 「フンッ…」 「そう…あれは大切な切り札なんだ… この世界を救うためのね…」
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