巡り合わせ

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巡り合わせ

古いスクラップブックを開く。 丁寧に貼り付けられた何枚もの紙。 ぱらぱらとページを捲ると、遠い昔の記憶が色鮮やかに蘇った。 後ろから彼が覗き込む気配がする。 振り返ると、漆黒の目が優しく笑った。 抱きすくめる彼の腕はこんなに優しいのに、それ以上は決して動くことはない。 狂おしい気持ちで彼にしがみつくと、彼の唇がそっと愛を囁いた。
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