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茶髪の生徒は俺の顔を見ながらニッと笑った。
「ジンク!ほら、余所見するなよ。そろそろ先生が戦うようだぞ」
黒い毛を纏い、鋭い爪を持つフレイムイーターの数は……500体以上いると予想できる。
先生が構えると同時に魔力が体を覆う。綺麗なファイティングポーズで相手を睨んでいた。
「なあ、魔力ってどういう性質なんだ?俺達まだ授業で習って無いだろ?」
茶髪の生徒は俺に問いかけてきた。俺は言葉を組み立て、明確に簡潔に説明した。
「魔力の使用用途は大きく分けて二つある。一つ目は肉体強化、今先生が行っているのが肉体強化だ。攻撃力や防御力などを上げる事ができる」
茶髪の生徒は関心しながら聞いていた。今、気づいたが他の生徒も耳を傾けていた。構わず説明を続ける。
「二つ目は魔法だな。魔法を使用するにはその魔法に対する"真理式"と呼ばれる公式のようなものを知る必要がある」
「シンリシキ?」
「詳しい事は授業で習う。魔法を発動するには真理式を解きながら魔力を注ぐことが必要だ。機械に電気を流し込むような感覚……と言えば想像できるか?」
科学も進歩しているが魔道学の方が進歩している。その理由は科学よりも魔法が優れているからだ。
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