プロローグ

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彼は成人と比較しても遥かに若い。心身が完成していない時期に両者を削り減らし続けた。 彼に似合う友達ができるはずもなく、誰からも好かれる事もなく……自分の心を汚し続けた。 癒す手段はただ一つある―― 『愛情だよ。君には君に似合う人物がきっと現れる……僕が保障する。だから負けないで。愛されるその時まで自分を守ってあげて。愛してあげて』 誰の言葉かも分からない。そんな言葉が闇で侵食された俺の心に鎖を巻き付ける。 俺の心は"俺とお前"の物。この空間に入る事ができるのは俺が心を許した人物のみ―――― 俺の心は閉ざされた。
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