第1章

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「そっか・・・、私、倒れちゃったの・・・か」 あの時、立った瞬間、目の前がいきなり真っ白になって・・・。 意識を失う直前、部員の皆の顔がフェードアウトしていったのを覚えている。 それから、身体をゆすぶられて・・・ それ以降のことは、もう覚えていない。 ・・・部長のくせに、なにやってんの・・・私。 こんなんじゃ、だめじゃん・・。 鼻の奥がつんとしてくる。 しだいに目頭が熱くなり、だんだん視界が歪んできて、 ぽと、と音を立てて、一粒の涙が布団に弾ける。 「・・・・私・・・部長なんて、やりたくないよ・・・」 大体、私なんかに・・・任せるのが間違ってる。 だって、今年は・・・県大会しか、突破できなかった。 皆が泣きはらした目を真っ赤にして撮った写真を、 生徒手帳の中から取って見つめる。 引退して行った、3年生の先輩たちも・・・ 来年は、関東大会に出場してね、と言ってくれたのに。 .
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