仁科町無差別殺傷事件

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「す・・・すご・・・ッ!!!」 僕は声をあげる。 健は「まぁな。」と得意げな顔をして言った。 僕らは今、親友の健の住んでいる、いかにもな「都会」に来ている。 幼馴染の梨果、歩、堺、奈緒と一緒に。 この僕を含め6人は、幼稚園の頃からの幼馴染。 小3の時に健が都会へ引越し、今年も遊びに来たというワケだ。 「ね、堺の好きななんとかナントカマンとか名前知んないけど そーゆーの、都会だからあるかもよ! 梨果はニヤニヤしながら言う。 堺は顔を赤らめて「べ・・・別に好きとかじゃないし・・・」と言った。 「あははっ好きな癖に~w毎週日曜9時頃からソレのアニメ見てるの、知ってんだからね~w」 梨果はゲラゲラ笑いながら言う。 だが堺は涙が出そうにまぶたの上の水滴をうるうるさせている。 今にも泣きそうだ。 こんなに楽しい日に あんな事件が起こることなんて―・・・ でも僕は この風景からして、嫌な予感がしていた。
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