序章  「ふう、、勝った。」

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カーテンで閉めきった窓。全体的に薄暗い部屋。パソコンによる青白い光、その目の前に、大きなくまをつけた、少女が一人いた。 ドアの外がやけに五月蝿い。 何度もドアを叩く担任の声が微かに聞こえてくるが耳を貸さない。 しばらくして諦めたであろうか、騒音が聞こえない。足音が遠くなるのがわかる。 「ふぅーー、、、」 少女は背伸びをして息を漏らす。 なぜ行きたくもないとこに行かされなければならない。 学校なんてバカどもが仲良しごっこして先生に媚び売って、裏では何してるかわからない。 そんなとこになぜ行かなければならない。 放課後こそ最も嫌な時間だ。 バカどもが世に放たれるこの時間こそ地獄そのものだ。 今となっては引きこもっている私は関係ないんだが、、 最近担任がよく家に来るようになった。 評価が下がるや、来年受けれる学校減るぞ等で説得しようとするが無駄だ。 そんなことで説得されてたら全国の引きこもりに失礼だろう。 また行ったところでどうせいじめられるだけだし、学校なんてなくなればいいと思うぐらいだ。 階段を上がる足音が聞こえやがてドアをノックする音が聞こえ、 「礼奈、、ご飯ここに置いてくから」 母がドアに夕食を置いたらしい。 母が離れていくことを耳で確認すると置いてある夕食を部屋に持ち込み、食べる。 今日はカレーだった。カレーの匂いが部屋中に広がり快くない気分だったが文句なんて言える訳もなく渋々完食した。 明日からはなんと三年生だ。 だとしても楽しみなんてあるわけがない。今まで通り引きこもりライフを過ごすだけだ。 楽しみはひとつだけあった。 担任が変わることだ。 今日までは体育会系の暑苦しい担任だった。 明日からは別タイプの担任だと面白いのに・・・ パソコンの動画サイトを巡回やネット友達とのチャットをした。 深夜3時までこれのループが何回か続き、視界が暗闇に染まった。
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