一章 「押すな、押すなよ、絶対押すなよ」

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四月八日、担任が変わる日。私は楽しみで仕方無かった。 と言っても担任が来ても精々五時頃だろう。 それまで何をしていようか。 まず、マンガでも読んで暇を潰そうか。 本棚にある長編もののマンガを全巻取りだし、ベッドの上で寝そべりながら読むことにした。 全巻を読み終わり時計を見ると午後二時を少し過ぎた頃だった。 「まだかぁ」 残念そうに言い、マンガを本棚に片付ける。 担任が来る時間帯には程遠いので動画サイトでブックマークしている人の動画を見て暇を潰す。 どれくらいたっただろうか、動画の読み込み中に部屋の外から声が聞こえ始める。 ヘッドフォンを外し、耳を傾ける。 階段を上がる足音が聞こえ部屋の前で止み、 「ご飯、持ってきたから」 母の声だ。 お前かい!とツッコミを入れそうになったが声には出さず、動きだけで表現した。 そんな時間かと時計を確認すると午後六時だった。 したかなく夕食を食べた。 夕食を食べ終え、担任が来るか楽しみに待ってみるが、結局来なかった。 なんか長い一日だった。
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