4人が本棚に入れています
本棚に追加
ロングパスで俺の手にボールが渡った。
まさか二度とはやらないだろうと思った瞬間、俺はニヤリと笑い、弾丸のようなスピードでドリブルで突っ込んだ。
「タ ケ シ! タ ケ シ!」
「タ ケ シ!!タ ケ シ!!」
ゴ~~~ル!!!
終了のホイッスル。
やったね!
優勝だ!
監督は俺の心をわかっていてくれたんだ。
みんなのように、シュートを決めてみたい、俺の気持ちに気づいてくれていたんだ。
キーパーなのに、シュートの練習なんてしても役にはたたないなんて、言われても、言われても、練習を止めなかった俺の気持ちを知っていたのだ。
ありがとう。監督!
母さん!
約束通り 沖縄に連れて行ってやるよ!
涙で霞んだ俺の目に、大きく手を振る母さんの姿がハッキリと見えた。
母さんの顔は 涙でグチャグチャだった。
俺は高く右手を揚げた。
最初のコメントを投稿しよう!