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想像し堪らなくなったか、桜が更に難色を示すと従業員二人は声をあげて笑った。
「ほい、到着。こことその隣がきみたちの泊まる部屋だよ」
二階中央付近で足を止め、流森さんは俺たちに身体を向けてきた。
「元は五年生の教室だって言ってたかな」
そんな説明をしながら、入り口のドアを開けて中へ入るよう促す流森さん。
「部屋の作り自体はどこもほとんど同じだから、部屋割りに特にこだわる必要はないと思う」
部長を押し退け先陣を切るように中へ入っていく桜。
その背中を追うように、俺や蓮田も部屋へ入る。
「うわ、畳だ」
スリッパを脱いで部屋の中央まで進んだ桜は、室内をぐるりと見回し目を丸くする。
広さは、普通に教室と同じだろう。
照明もよくある細長いタイプの蛍光灯だ。
窓も以前のままのようで、前と後ろにベランダへ出るための硝子ドアがあり、その他には小窓が二つ付いている。
過去の名残を残しているのは、一見してその程度か。
桜が言ったように、床には一面畳が敷かれており、入り口部分は小さいながらスリッパの脱ぎ履きをするためのスペースと段差が作られていた。
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