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桜を指差し、俺は苦笑しながら由奈さんに答える。
「え~? あたし無理矢理なんか誘ってないじゃん」
心外だと言わんばかりに、眉根を寄せ反論してくる桜。
「誘っただろ? 何か変な先輩しか部員がいなくて不安だから、俺も一緒に入ってくれって」
「……ああ、言われてみれば言ったかも」
記憶が蘇ったのか、顎に手をやりながら桜はあっさりと頷いた。
「え? その変な先輩ってひょっとして僕のことかい?」
自分の顔を指し示しながら、部長が首を曲げてくる。
「他に誰もいないじゃないですか。入部希望届けに行ったら、薄暗い部屋の中で一人ニヤニヤしながらこっち見てくるんですもん。あれかなり薄気味悪かったですよ。思い出したら何か鳥肌立ってきました。前向いててください」
「ホントに桜くんは僕の扱い酷いなぁ。由奈さん、これどう思う?」
困ったように口元を歪ませて、部長は自分の従姉へフォローを求める。
「別に間違ってないじゃん。あんたは一人でニヤつく癖直した方が良いよ」
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