第一章:隔離された村

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それから、俺たち三人のメンバーを順番に見渡して、促すように宿の入り口へと腕を差し出した。 「みんなも、ずっと車の中にいて疲れたでしょう? 部屋はもう用意してあるから、どうぞ」 「ありがとうございます。ええと……」 「ああ、わたしは梅木 碧(うめき みどり)です。一応、ここの従業員みたいなものだから、何か困ったことがあったら遠慮なく声をかけてね」 呼び名に困り言葉を詰まらせた部長に、女性、梅木 碧はそう告げた。 「梅木……ってことは、村長さんのご家族ですか?」 先程聞いた話を思い出したのだろう。 桜が訊ねる。 「ええ。わたしは村長の義理の娘だけど。ほら、あそこに建ってるのがその村長の家よ」 答えながら碧さんが指差したのは、藤美荘の敷地のすぐ隣に建てられた立派な屋敷だった。 由緒正しい日本家屋、といった感じだろうか。 平屋だが、かなり大きな家だ。 敷地面積は田んぼ四つ分は余裕であるように思う。 屋根の両端には、豪奢な鬼瓦が見えた。
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