‡プロローグ‡

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簡潔に説明してしまえばこんな流れである。 因みに、ミスオカ研というのは俺たちが通う高校、県立坂宮(さかみや)高等学校に去年からできた倶楽部のことだ。 正式名はミステリー&オカルト研究部。 この世にはびこるいろいろな怪現象や理屈では説明できない謎を調査し、それを解明するというのが活動内容になっているが、実際のところはほとんど活動をしていないお飾り部。 毎日適当に集まり、好き勝手に雑談し、そして適当に解散する。 ごく稀に、部長が持ってきたホラー映画やサスペンスドラマの観賞会などをやったりもするが、結局はその程度の集まりだ。 部員の数はたったの四人。 来年あたり新入部員が来なければ早くも廃部の危機を抱えているという、なんとも情けない部である。 「なんかさー、あれよね。あたしさっきからずっと外の景色眺めてるけど、全然外灯がないのよ。夜にこの道歩けなんて言われたら軽く塞ぎ込む自信あるわ」 長く沈黙が続いていた車内に、何の前触れもなく声が吐き出された。
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